いちごアメ
別れ
息を思い切り、吸い込む。
<はい、もしもし?>
あれから、家に帰り携帯で陵に電話をかけた。
電話越しだからか、声が少し低いような感じがする。
「もしもし、凛・・・」
名前を言ったと同時に、陵が椅子からドターン!!!と落ちる音がして、思わず苦笑いをする。
<え?凛?家が隣なのにどうして?>
確かに、普段電話はかけない。
特に私は、携帯を常備しない方だ。
「明日、放課後デートで言う事がある」
我ながら、決闘を申し込むみたいな言い方するなって思う。
陵の雰囲気が電話越しにでも分かるぐらいに、ガラッと変わる。
<真剣な話?珍しいね、凛がそういう電話とか>
陵の声が少し、低くなった気がした。
それと同時に、胸がチクチクと痛んだ。
<別れ話なら聞かないから>
その言葉と共に電話は一方的に切れた。