いちごアメ
出会い
「凛!!!遊びに行かない?」
桜ノ宮 凛(サクラノミヤ リン)
友達は沢山居て、勿論彼氏もいる。
「んー、今日は遠慮しとくー」
「じゃあ、今度行かない?」
「うんー、行くぅー」
今日はなんとなく気分じゃない。
友達と少し話して、徒歩でいつもと変わらない道のりを歩く。
五分ぐらい、歩いたところで…川原のところで足を止める。
川原に佇む一人の男。
「なぁ、アメ持ってねぇ?」
近寄りがたい雰囲気を放っている。
でも、決して悪い奴には思えなかった。
「あるよ?」
その男の手のひらにイチゴあめを落とす。
男は、まさかイチゴあめを落とされるなんて思っても見なかったのか…目を開けて驚いている。
「イチゴあめ…?」
あれ?可笑しかった?
爽やか系なこの男には、レモンとかオレンジをあげるべきだったと思い始め、ポケットを探る。
「ごめん…、イチゴしかなかった…」
ポケットから手を出したが、手に持ってたのは、イチゴ味のアメ。
今時の女子高生がイチゴ味のアメしか持っていないという問題はおいといて。
その男は、イチゴ味のアメの包み紙を開けて、舐め始めた。
「けっこう、上手いじゃん」