究極の悪魔先輩へ。大嫌いです。
憧れの先輩
4時間目のチャイムとともに1階へと掛け降りる。勿論、友達も引き連れて。早くしないと行っちゃいますから。
ガヤガヤ混んでる売店の前は、いつだって長蛇の列が並んでいる。あたしは別に売店のパンが目的じゃなくて、長蛇の列の中に居るある人が目的なの。
「居た!」
長蛇の列を一番先頭から見てくとずば抜けて長い身長、癖のある茶髪の髪型が居た。この人こそがあたしの4時間目に死にもの狂いで階段を掛け降りてきた理由である。
「そろそろ話し掛けたら?」
「見てるだけでいーの!」
はあ。とため息をついたのは高校からの友達伊織だった。伊織は背が高くバスケ部マネージャー。まああたしも背は高い方だけど、多分そのうち抜かされる。
そんなことはどうでもよく、あたしは先輩が何を買ったかも把握するのが日課。で、それを次の日に近くのコンビニで買うというストーカー並みのあたしの痛い行動はあたしだけの秘密。
「あ、先輩来る!」
そんなことは分かっている。ずっと目を離さず見ているんだもん。先輩はあたしの横を通り過ぎた。今日も無事任務完了。異常なしでした。
「はあ今日もかっこよかったー。」
「あんた一歩間違えたら犯罪だからね。」
訴えられても知らないから、と先に階段をのぼっている伊織の後を追う。隣に並んだくらいに伊織がそーいえばさ、と話をふった。