i miss you…。:*



マナーモードにした仕事用のスマホが


ポーチの中で震える


……


私は、ボーイを呼んで


お店の正面玄関に一緒に下りていく



そこには黒塗りの薄いセダンが止まってる


私は降りてきた人に頭を下げる



『お待ちしておりました』



つかさず、ボーイはお客様の


荷物を預かり頭を下げる



お客様に肩を抱かれて一緒にお店に入る



私はVIPルームに繋がるカーペットを


お客様と堂々と歩く



皆からの視線を浴びて



お客様の腰に手を伸ばし絡め


微笑んで魅せ、お客様の顔を立てる




VIPルームは白を貴重にした部屋だ


ライトは少し暗めだが


ホールとは違って明るくて目が痛い


私はお客様とソファーに座り


目が慣れるのを待つ


何度私はこの部屋で


お客様を接待したのだろうか


偽りの仮面を被って


この白色の空間を"黒色"に塗り潰して







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