二人の兄に激甘警報発令中!
「純粋…?」
稜也さんはどういう意味でその言葉を言ったの?
純粋?
「彩羽、お前は絶対に惚れるな。このまま……で居てくれ。」
このまま…から2秒も間があった。
稜也さんの弱弱しい台詞(セリフ)が部屋に響く。
そんな悲しそうに言わないで。
「稜也さん……泣かないで。」
私は稜也さんにそう言った。
目頭が何故か熱くなり、瞳にうっすらと涙の膜をはる。
稜也さんは勢いよく起き上がった。
驚いた顔で私を見る。
「なんで彩羽が泣いてるんだよ。」
そう苦笑いして言っていた。
私は思わず目を瞑ってしまい、目頭からベッドへ垂直に涙が流れた。
稜也さんは私の右手を離し、左手で涙をぬぐってくれた。
悲しそうな顔。
稜也さん、なんでそんな顔で私を見るの?
「稜也さん、悲しまないで。」
私は空いた右手を稜也さんの髪の中に入れた。
泣かないで。