二人の兄に激甘警報発令中!
「稜也さん、笑って?」
私がそう言うと、稜也さんは私の右手を左手で押さえた。
そして
「彩羽……こんなこと、響也にはしないでね。」
そう言って少し笑った。
その瞬間、私の唇に自分の唇を押し当てる。
私は一瞬の出来事で、頭が回らない。
でも自然と瞳を閉じてしまう。
この感触……響也さんと似てる。
今日一日だけで色々知った。
稜也さんの事。
響也さんの事。
キスの事。
濃すぎる一日だよ。
私はいつの間にか離れていた唇に気が付かなかった。
私は目を開け、稜也さんを見上げた。
稜也さんは軽く笑い、私を見た。
「可愛いよ、彩羽。」
そう言って私の左手を離し、押さえていた右手も離した。