二人の兄に激甘警報発令中!
俺は次の扉を開く。
前にはもう一つ扉。
俺は急いで開けた。
ガラッ
「彩羽!」
彩羽は驚いた顔で俺を見る。
俺は少し息が乱れていて、彩羽がこっちを見た瞬間に何故か肩が重たくなった。
「りょ、稜也さん!?」
彩羽は上半身を少し動かして、顔を顰(しか)めた。
「アッ……。」
そう彩羽は呟き、上目遣いの様な角度で俺を見る。
俺はその行動に不覚にも胸が鳴ってしまった。
顔が熱くなるのを感じる。
こんなの、小5の時のピアノの発表会以来だ。
「りょ…やさん…ちょっと……あの…出してください!」
1秒あけて
「え!?」
俺の無駄にデカい声。
え、彩羽は何を言っているんだ?
は?
え?
ん?
俺は混乱して彩羽をただ見ることしか出来なかった。