二人の兄に激甘警報発令中!
彩羽の汗が湯船に顎から落ちる。
「稜也…さん。のぼせて……。」
「ッ……。」
「足が動かないんです…。」
「へ?」
彩羽が言い終わるか言い終わらないかの時に言った。
「え?」
無駄に艶がかっている声がかき乱す。
彩羽は顔を赤くしてこっちを見る。
逆上せているんだな、それで足が動かない。
俺は笑顔で彩羽を見た。
動揺を隠すように。
「あの…抱っこして、ここから出してください。」
「え!?あ…分かったよ。」
俺は動揺を上手く隠して彩羽に近づく。
彩羽の腕が俺の方に向く。
俺は動揺を…隠す…隠しきれてないかも。
「早く……。」
自然と上目遣いになる角度で俺を見る。
俺は彩羽の腕を肩に回し、抱きかかえた。
落ち着け。
俺は動揺している。確実に。
「ああ……。」
彩羽の声と俺の焦りを隠すように近くにあったバスタオルを彩羽にかける。