二人の兄に激甘警報発令中!
「稜也さん…?あの…何故こんな態勢に?」
質問に答えろよ。
今は俺が彩羽に聞いているんだ。
彩羽は頭を左右に揺らしている。
まるで俺を拒否しているみたいに。
俺は自然と絡ませていた指先に力を少し加える。
「りょ…やさん…?」
彩羽は俺を心配そうに見上げる。
彩羽は今何を考えている。
俺?
響也?
何?
「彩羽……。」
何でこんなに虚しいんだ。
俺はゆっくりと彩羽の顔に近づいた。
「ちょ!稜也さん!」
焦っている声も、暴れようとする腕も、
響也を考えている思考も、
止めてやる。