二人の兄に激甘警報発令中!

右の耳元ではトクントクンと規則正しい音が聞こえる。


このままではまずい。


昨日の事があるから、尚更だ。



「きょ、響也さん?どうかしました?」


私は響也さんを見上げると響也さんは少し顔が赤かった。


右手で顔を軽く隠すように覆い、私から目線を外した。


疑問ばかり。


響也さんにも稜也さんにも疑問ばかり。



私は取りあえず響也さんから離れようとした。



すると私の腕は響也さんに掴まれ、響也さんに抱きしめられている形になった。



「え!?」



トクントクントクン


胸の鼓動が早まる。


顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。



私は響也さんの顔が見れない。



頭を響也さんの胸に押し付けられているから。


身動きできない。



響也さんと私の身長は違いすぎて、私は何も出来ない。



「響也さん、あの、離して下さい。」



キスの時よりも声が響也さんに届いていないと思う。


目の前が響也さんの胸板だから。


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