二人の兄に激甘警報発令中!
私の名前は柊 彩羽(ひいらぎ いろは)。
現在高校1年生の青春真っ只中の冴えない女だ。
私は5歳まで孤児院で過ごしてきた。
母親は分からない。
名前も顔も。
私はどこで産まれたかも知らない。
ストリートチルドレンだったから。
拾ってくれたのが孤児院の院長、小林(こばやし)さん。
小林さんは私をとても可愛がってくれた。
私を養子にしようかという事まで考えてくれていたそうだ。
小林さんが私に与えてくれていた温もりは、その頃の私には届いていなかった。
その頃の記憶が曖昧なせいか、私は小林さんから今日聞いた事は驚いた。
私は感情が全く表現できない人形の様な子供だったと小林さんは言っていた。
そのせいか、私は今でも感情を表に出すことが得意ではない。
それが理由で友達付き合いも下手だ。
でも私にとっては、人とまともに話せるようになった事じたいが大きな成長だったんだなと今日の話で分かった。
そんな昔の私を変えてくれたのが孤児院で一緒に生活をしていた同い年の男の子、
橋本 剣(はしもと つるぎ)くんだった。