二人の兄に激甘警報発令中!

「彼が養子になった家系は代々続く財閥なの。
 だから彼は去年までアメリカに留学していたのよ。
 詳しく言うと小学校4年生から高校受験の一か月前にね」

そういうとニコっと笑う小林さん。

私は右手と左手を机の上に置き、目の前にあった冷水を飲んだ。


「彼は忙しいみたい。だから来るといっても2時間くらいしか居れないのよ~」


それを聞いた私はなぜか少しむせた。


「ゲホッゲホ」


動揺してるのかな?

2時間しか居れないなんて…。どれだけハードなスケジュールなんだろう。

私はここにだいたい2日か3日の間、小林さんのお手伝いを
する。

小林さんは「無理してこなくてもいいのよ?」と言うけれど、私は「好きで来てるんです!お手伝いくらいさせてくださいよ~」と毎回答えている。

小林さんはそんな私を笑顔で見守ってくれる。

相変わらず優しい小林さん。

私の大切な人だ。

「彩羽ちゃん。そういえば剣くんがあなたに逢いたがっていたわ。」

小林さんはふふふと笑い、椅子から立ち上がった。

そして本棚があるところに行き、一枚の手紙を分厚い本の間から取り出した。

私は顔だけきょろきょろした。

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