二人の兄に激甘警報発令中!
彩羽に向ける視線は、今まで遊んでいた女とは大違いだった。
あの響也が彩羽に興味持つなんて…。
俺は内心良い気持ちではない。
寧ろ逆だ。
響也が『あの』過去を超えて、今の自分と向き合えるようになるには
彩羽が鍵になるのかもな。
俺はそう心の中で呟いて、いつの間にか居た噴水の目の前でそっと目を閉じた。
「フッ……。」
響也だけじゃない。
俺の心も彩羽が溶かしてくれ。
俺は閉じた目を開け、噴水の水をすくって夕日で光が神秘的にうつっている水を見据えた。
「響也には敵わねえ……。」
俺は乾いた空に、空気に、混じるように呟いた。