俺様ホストに愛されて
さっきの会話、聞かれてたんだ。
サーっと血の気が引いていく。
酔いが一気に醒めた気がして、冷静さを取り戻しつつあった。
「そんな奴より、俺にしとけば?」
リュウはあたしに向かって手を伸ばし、頬を優しく撫でた。
その仕草に鼓動が大きく跳ねる。
あたし
いつからこんなに流されやすくなっちゃったの?
「な、なに言ってんのっ?」
冗談、やめてよ。
あたしは騙されたりなんかしない。
客引きなら他を当たって。
なんだか気まずくて、思わずリュウから視線をそらした。
「彼氏と別れたんだろ?」
「それはっ……」
そうだけどっ。
だからって、リュウと付き合うとかありえない。
っていうか、そんなことまで聞かれてたの?
泣きながら叫んでた自分を思い出して
恥ずかしさが込み上げた。