意地悪上司は仔猫好き
プロローグ.
───彼に初めて逢ったのは私が入社して1年した頃だった。
「…あなたねぇ。少しくらい手伝おうとか思わないワケッ?!」
「…はぁ…。」
私を叱るのは私の5才年上の先輩・平田«ヒラタ»さんだ。
私の方が少しだけ仕事が早いから自分の仕事を私にさせている少し苦手な先輩だ。
「…あの私、午後から会議が…。」
私が言うと
「あぁ、それ…私が出るから大丈夫。あなたはこっちをやってくれればいいから。あと会議の資料、よろしく。」
「はいッ?!」
私は目を丸くして硬直した。