意地悪上司は仔猫好き
今までの櫂理さんの言葉や行動が頭の中を駆け巡って行く。
私の名前を呼んで笑う櫂理さん、意地悪な櫂理さん、甘い櫂理さん…。
いつの間にか流れ出した涙と共に消えていく気がした。
…櫂理さんとあの人の方がずっとお似合いだ…。
…櫂理さんはあの人と結婚した方がずっとずっと幸せなんだ…。
溢れ出る涙とは反対に私の心は妙に納得している。
…いつかこんな日がくる気がしてた…。
私はいる意味のなくなったこの場所から逃げるように立ち去ったのだった。