意地悪上司は仔猫好き
聞くと明歩ちゃんは目を輝かせて
「うん…って重ね重ねお世話になります。」
座ったまままた頭を下げてすくっと立ち上がった。
「何か手伝わせて。」
明歩ちゃんが聞いてきたから私は微笑んで
「ありがとう。」
と言って明歩ちゃんと朝食の準備を始めた。
──そして、明歩ちゃんは食器洗いをしてくれた。
「明歩ちゃん、ありがとう。」
食器を拭きながら言うと
「一宿一飯の恩義ってヤツだよ。」
「明歩ちゃん、泊まってないじゃん。」
「似たようなもんだよ。彩音、これからアニキの美容院行くから。」
「へ?」
「兄貴の店、悩み解決してくれるから。」
明歩ちゃんはニッと笑った。