意地悪上司は仔猫好き
少しうなだれると
「彩音は猫っ毛だからね。パーマも落ち掛けてきたね。近々美容院行きなね。」
「はぁい…。」
「彩音、いつもありがとね。」
いつものホットカフェラテと温めたチョコチップマフィンを受け取ってお店を出ようとした時だった。
「ねぇ、あなた一緒にコーヒー飲まない?」
声をかけられて立ち止まった。
ストレートヘアーをひとまとめにした美人さんがにこやかに手招きしていた。
「…私、ですか?」
自分を指差して首を傾げると
「うん。」
美人さんは頷いた。
「私、1人だから寂しかったんだよね。」
ニカッと笑って美人さんのいる丸テーブルを囲むイスの空いた隣の席をポンポンと叩いた。