*。:.゚ボクとアナタとチョコレートと゚.:。 ゚【BL】
………*・゚。:.*
ガチャ。
「ただいま」
無愛想な和は玄関のドアを開ける。
そうして顔を出すのは彼の弟のナツくん。
……訂正。
俺の想い人であり、今は恋人のナツくん。
「あ、おかえりなさい。香弥さん……いらっしゃい」
和を少し黒い瞳に入れるけれど、すぐに俺に視線を向けてくれるナツくん。
頬を赤く染めている……。
かわいいな……。
「こんにちは」
にっこり微笑めば、視線を逸らした。
恥ずかしいんだろう。
あ~、もう可愛い!!
抱きしめたい!!
だけど、和がいるから無理なわけで……。
あ、そうだ。
「ナツくん、和ね風邪みたいなんだ。気分が悪そうだからひとりにしてあげたいの。後でナツくんの部屋に行ってもいい?」
「え?」
「おい!!」
和は何か抗議している目を向けるけど、そんなの知らない。
だって、寒気がするってさっき本人が言ってたし?
「じゃ、ナツくん行こっか~、お邪魔しま~す」
「へ、ああの……」
ナツくんの小さい背中を押して和を放置。
「おい!!」
勝手知ったる俺はナツくんの部屋に進むんだ。