*。:.゚ボクとアナタとチョコレートと゚.:。 ゚【BL】
ちゅっ。
リップ音を立てて離れる唇。
「可愛い、すごく可愛い。
もう、ナツくん可愛すぎ!!」
っちゅ。
「ん……んぅぅ!!」
一度は離れた唇。
なのに、また押し付けられて重なる。
香弥さん?
「っふ!!」
香弥さん!?
ぐるぐる、ぐるぐる。
真っ白な世界が回りはじめる。
ちゅっ。
「こうゃさぁん……」
やっと離してくれた唇で、彼の名前を呼んでみる。
……っは、恥ずかしい!!
――舌っ足らずになった!!!!
「かっわいいいいい!!」
がばっ!!
――え?
「こうやさん!?」
「かわいい、もう可愛すぎ!!
俺を誘うっていう無自覚も大概にしてよ?
あ~、俺……これから堪えられるのかなぁ~。
和に怒られそう……」
え?
和って……兄さんに?
なんで兄さんに怒られるの?
――なんて思っていると、香弥さんは困ったように眉根を寄せて、だけど嬉しそうに口角を上げる。
そうして言ったのは、僕を十分に落とす言葉だった。
「和に念を押されてたんだよ。
チョコレートと一緒にナツくんを食べないようにって……」
え?
兄さんも僕の気持ち知ってたの?
ってか、香弥さんが僕宛にチョコレートをつくってるのも知ってたの?
「あ、でもいっか~。
和に知られなきゃいいんだよね」
――え?
「と、いうことで。
和には黙っててね、ナツ君」
――ええ?
「あの、あのあのあのあのっ!!
ん、む……んっふぁ……」
抵抗する俺の声は、香弥さんの唇に止められて、そうして僕はまた香弥さんに抱きしめられた。
「君のチョコレートは美味しいんだろうなぁ~」
ええ!?
ええええええ!?
僕がチョコレートになっちゃうの!?
ちゅっ。
唇から頬を伝って、喉元を食まれる僕……。
「こうやさっ……」
「もっと甘い声を聞かせてね。
チョコレートよりも甘い君の声を……」
僕の服の中へと手を忍ばせて、彼はにっこり微笑んだ。
*ナツend*