バレンタインデーだから
「明日香さんありがとう。おいしかった」

「良かったです。喜んでもらえて」

「僕と同じでこのガトーショコラが大好きなところとか、ふとしたそういうのが嬉しい。明日香さんと一緒にいたら」

そう言い、浅野さんは私をお姫様だっこして隣にあるベッドへ降ろした。

幼稚園児じゃあるまいし、この年でお姫様だっこは恥ずかしいけど、ここでしかやってもらえないことかな。

「凄くしあわせ。ごめんね、お風呂入ってないけどさ、このまま明日香さんを抱きたい」

「はい!私もいま凄くしあわせなんです」

浅野さんは私のワンピースの中に手をいれ、黒いタイツに覆われた太ももを撫でてきた。
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