大好きでした。そして大好きです。




俺は青陽学園2年B組、松尾榛樹(マツオ ハルキ)。
この学園の王子と名高い月岡明羅(ツキオカ アキラ)とは物心つく前からの付き合いで親友。

幼稚園の時から僻みたくなるほど女子にモテていた。
しかしそれを自慢することなく、とても優しくて、サッカー少年だった。
明羅とは本当に仲がよかった。


明羅に比べ俺はイケメンでもなければ、まぁイケメンといえばイケメンかな、と思うような容姿。
頭はよくないし、運動神経は明羅と小さい頃から遊んでいるおかげか大抵なんでもできるほどだ。


そんな俺の憧れである明羅。






それと同じくらい憧れて、好きになった人ができたのは高校に入った時だった。






俺はC組であいつも同じくC組で『同じだな』と笑いあった。
席も隣になり、高校生活が楽しくなるな、と思った時だった。



俺の目に一人の女の子が捉えられた。



ふわりと窓から入ってきた風に揺られ、茶色がかかった黒の長い髪が揺れた。
彼女を見た瞬間に俺の頭は彼女しか考えられなくなってしまった。


彼女は誰にでも優しく、やはり男子にもモテていた。
可愛くて、本当の天使のようなのだ。
頭脳明晰、運動神経抜群。
非の打ち所のない、完璧少女。


そんな彼女に恋をした。

流れる髪に目を奪われ、彼女を忘れられない。



あの時の彼女の微笑みも。
あの時の胸の高鳴りも。


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