ファインダー越しの恋人


『昔はいつもこれくらいの長さだったよな?ロングのイメージ無かったけど』

「あ、うん……」


拓真の問いかけに言葉に詰まる。

私が髪を伸ばしてた理由は…あいつがロングが好きだったから。

だけど、会えないのなら伸ばす意味なんて無い…


『…俺の事、好きな男だと思えよ』

「っ……」

いつの間にか私の目の前に立ってた、拓真に顎を持ち上げられて視線が合わされる。

言葉と拓真の顔の綺麗さにドキッとしてしまう。


『昔、言ってただろ?“最高の表情をするにはカメラの向こうに好きな人が居るって思う事”って』

「あっ…」


確かに読モをやってた時にそんな事を言ってた。

なんか、一瞬でも勘違いしてバカみたい…。



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