満員電車



思わず顔が赤くなった。



…やだ、恥ずかしい。




すると、その男はあたしの赤く染まった頬に手を伸ばした。





えっ…?






いきなりのことで、状況がよく把握出来なかった。





あたしの頬に触れる彼の手は、腫れ物に触るかのような優しい手つきだった。






「ここ…どうしたの?」







思ってもみなかった言葉が彼の口から出てきた。






あたしはただ首を傾げることしか出来なかった。




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