満員電車




目を開くと、目の前には彼の姿が。





顔近いっ…!!





「ご、ごめんなさいっ!」






高鳴る胸の鼓動を抑えつつ離れようとするが、彼はあたしを離そうとはしない。







「あの…?」






あたしの言葉を制して、彼は耳元で囁いた。





「いいから」





腕の力を緩めてはくれない。





むしろ、さっきより強くなってる。






いいからって、あたしは心臓の方が持たないんですけど…。





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