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崩れゆくもの

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桜音、桜音がこの手紙を読んでるってことは俺はもう桜音のところにはいないはずだよな？俺は桜音の事ホントに愛してた。嫌、居なくなっても俺は桜音のこと愛してやる！もちろん恋人としてでは無いけどな。桜音！桜音は大丈夫だぞ。俺が守ってやれなくなっても桜音は強いから大丈夫なんだ！分かったらここから走れ！後ろは絶対に振り返るな！桜音は前だけ見て生きろ！俺はもう桜音を守ってやれないんだ！でもな、どうしても駄目は時は俺のアトリエの鍵がお前と俺の写真の裏に隠してある。そこに行け。俺がいなくなったのは絶対に桜音のせいなんかじゃないからな。元気でな。

零士
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私、桜音原魅影(おとはらみかげ)は私の最愛の元婚約者西園寺零士(さいおんじれいじ)の手紙を見て静かに涙を流している。



零士は数日前、私を一人この世に残して病気により死んでしまった。



''影''である私を唯一愛してくれた大切な宝物。



私と零士は年の離れた婚約者だった。私はまだ高校1年生の子供で零士は26才という10も離れた恋人だった。



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