CHERISH-チェリッシュ-
「あら~。久しぶりねえ」


出迎えてくれた龍司のお母さんに挨拶をして、すぐに龍司の部屋に通された。


相変わらずすっきりしている。

必要か不必要か、が
明白に分かる部屋。


あたしは、しばらく龍司の部屋についても辺りを見回して立ったまま。


「いつまで立ってる気?
座れば?」


龍司に促されて、部屋の真ん中に置いてある丸い机の回りに座り教科書を出した。


あと、今日のプリントも。


龍司はプリントを手にとると、しばし見つめて頬杖をついた。

「これね。
途中までできてるじゃん。」


「う…ん。」


「いい?こういう式は、最初に計算してからした方が後から楽だ。」


なんだろう?


いつもより…、優しい気がする。
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