CHERISH-チェリッシュ-
学校では教えてくれなかったのに。


「で、わかってる?」


「あ…、うん。」


せっかく、教えてくれてるんだけど…。


こんなに優しい龍司が久しぶりで、ドキドキしてしまう。


シャープペンシルを持つ手が震えないように、声が震えないように。


私は、龍司の言葉を理解するよう努力する。


「ほら、できた。
次もやってみ?」


龍司が出す問題を解く。


その様子を隣で見てる龍司の視線が、鋭いものじゃなくて柔らかいものだと思った。


< 43 / 49 >

この作品をシェア

pagetop