オリオン座
大学3年になってからも彼女との幸せは続いた。お互いにお互いを求めていて思い出もたくさん出来ていった。
この1年もきっと去年以上に濃い1年になる物だと思っていた。思っていたかった。
それでも、運命とか時間とか世界っていうのは残酷で冷酷で。機械よりも機械的に回っていて、僕の幸せはいとも簡単に奪われてしまった。
もしこの世界に神様がいるのなら、どうして人を作ったのか、運命とか時間とか世界とか、幸せとか不幸とか運とか奇跡とか偶然とか必然とか。
そういったものを作った意味を問いただしてやりたい。
僕の彼女は事故に遭った。
交通事故だったらしい。
彼女の親から連絡が来て知った僕は急いで彼女が運ばれた病院に駆けつけた。
その時僕はどう思っていたのか。今でも思い出せない。
彼女が事故に遭うなんて。きっと考えもしていなかった。
ただただ怖かった。『幸せ』が手のひらからこぼれ落ちていくのが確かに感じられて、それでも僕にはどうすることも出来なかった。