世界を濡らす、やまない雨
◇
お弁当を食べ終わって、ゴミを詰めたビニール袋をぎゅっと結ぶ。
するとそのとき、鞄の中でスマホが鳴った。
もしかして、有里────……?
ほとんど反射的に鞄からスマホを取り出す。
けれど届いていたのは一通のメッセージで、その差出人はもちろん有里ではなかった。
メッセージを送ってきたのは、角谷だった。
角谷は初めに昨日の私のことを気遣ったあと、明後日の夜の予定を聞いてきた。
食事にでも行かないかということらしい。