世界を濡らす、やまない雨


嫌われること────……

それは、私にとって世界で一番怖いことだった。


怜だけじゃない。

いつの頃からかずっと、私は誰かに嫌われることに恐怖を覚えるようになっていた。

怜に嫌われたくない。

怜から嫌われるのが怖い。

その想いはもしかすると、恋愛感情に起因するものではないのかもしれない。

そのことに薄々気づきながら、私はずっと、気づかないふりをしている。



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