世界を濡らす、やまない雨
怜は私を抱きしめて何度も深いキスをすると、私を連れて寝室へと移動した。
そしてなだれ込むように、私の身体をベッドへ押し付ける。
私を組み敷きながら、怜が首にゆるく巻かれたネクタイを片手で器用に外す。
そのネクタイの先が私の鼻先をかすめたとき、また甘い柑橘系の香りがした。
たまらなくなって、身体を重ねてくる怜に小さな声で尋ねる。
「怜、私のこと、好き?」
心細い気持ちで見上げると、怜が口角を引き上げて不敵に笑う。