世界を濡らす、やまない雨


バスローブを纏い、濡れた服とドライヤーを持ってバスルームから出ると角谷は部屋の隅にある椅子に腰掛けていた。


居心地悪そうに肩を竦めて座っているその様子が可笑しくて、ふっと笑ってしまう。


私の笑い声に気付いて振り返った角谷だったが、バスローブを着ている私を見るとすごい勢いで目を逸らして顔を正面に向けた。


「ごめんね。ドライヤーあてたらすぐ乾くと思う」

私は耳の後ろを赤くしている角谷にそう言うと、ドライヤーの風量を最大にして濡れている服を乾かした。

自分の服をあらかた乾かしてから、今度はハンガーに掛けてある角谷のスーツにもドライヤーの熱をあてる。


すると私の服よりは早く乾いた。


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