世界を濡らす、やまない雨


その話を聞いてから、他のクラスメイトからもときどき「佳乃が無視されている」という噂を聞くようになった。


佳乃がクラスの大半に避けられている理由は、小さなものから大きなものまでいろいろあった。


そのなかで一番確からしい理由はこうだった。

二学期の初め、佳乃達のクラスは文化祭の出し物の話し合いをしたらしい。

中学三年生でもクラス委員を務めていた佳乃は、話し合いの場で前に立って仕切っていた。

佳乃達のクラスは、私達の学年の中でも比較的頭のいい子が集中しているクラスだった。

直前に迫った文化祭よりも、まだ先の高校受験の方に関心がある。

なかなかまとまらない話し合い。


でも、中学最後の文化祭はきちんと思い出に残るものにしたい。


そう思って、クラス全員の前で何か発言をした佳乃が何人かの反感をかった。


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