世界を濡らす、やまない雨
初めは数人。
けれど、日が経つにつれてもともとの原因が何だったかはどうだってよくなる。
数人が十数人に。
それがクラスの大半に。
二学期の半ばにはもう、佳乃自身もよくわからない理由でクラスの大半から避けられていたようだ。
佳乃とは違うクラスメイト達が話す噂を聞くたびに、彼女のことが気になって仕方なかった。
噂を聞く前までは廊下でときどきすれ違うこともあったのに、噂が流れ始めてからは全く会わなくなった。
中学一年と二年生のとき、私を助けてくれた佳乃。
彼女が突然立たされることになった立場を思うと、気が気ではなかった。