世界を濡らす、やまない雨


角谷は私を車に乗せると、彼の住むマンションに連れて行った。


全身びしょ濡れだった私達は、角谷のマンションで順番に温かいシャワーを浴びる。


先にシャワーを借りた私がリビングのソファに座って待っていると、部屋着に着替えた角谷がバスタオルで髪の毛を拭きながら出てきた。


「ちょっとは落ち着いた?コーヒー淹れるからちょっと待ってて」

角谷は私に笑いかけると、綺麗に片付けられたキッチンに入っていく。


そして、コーヒーを淹れたカップを二つ持って戻ってきた角谷はその一つを差し出しながら、私の隣に腰掛けた。


「はい、どうぞ」

角谷の手からカップを受け取ると、彼がにっこりと笑う。


「道木さんと会う日は、雨が多いね。この前も、土砂降りの雨の中で濡れながら歩いてた」


角谷の言葉に、私はうっすらと困ったように笑う。


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