世界を濡らす、やまない雨



「俺は何があっても絶対に、道木さんのこと嫌いになったりしないから」


驚いて顔を上げる。


角谷は何の曇りもない澄んだ瞳で私を真っ直ぐに見つめていた。


本当に────……?


みんないつか離れていくのに。

本当は好きじゃない、と。

仲良くしたくて一緒にいるわけじゃない、と。



だけど、彼が私を掬い上げてくれるかもしれない。

その可能性にかけていい────?


< 211 / 237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop