世界を濡らす、やまない雨


ここできっぱりと断らなかった時点で、もう誘いを受けたようなものだ。

私はきっと最終的に、有里の誘いを断りきれない。

有里も私の性格をわかっているのか、私の返事を聞いて満足そうに笑っていた。


食事を終えて店を出ても、昼休み終了までまだ少し時間があった。

コンビニに寄ってから戻るという有里と別れて、私は少し早めにオフィスに戻る。

残業時間が少なくて済むように、少しでも早く残っている仕事を片付けないといけない。

土曜日に出かけることになるならなおさら、今日は少しでも早めに帰って怜の機嫌を損ねないようにしなければならなかった。

自分の働く課のフロアに戻ったとき、まだほとんどの社員が昼食を食べに出て戻ってきていなかった。

パソコンを開き、途中になっている書類を出す。

仕上げなければいけない仕事は山のようにあった。

いろいろな意味で憂鬱な気分だ。


ため息をつくと、無人のフロアにその音が虚しく響いた。


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