世界を濡らす、やまない雨
「前から思っていたんだ。道木さんは、白くて綺麗な肌をしているね」
鼓膜を震わせる課長の声に、私はぞっとして体中に鳥肌が立つのを感じた。
「あの、離して下さい」
小さな声で訴えると、課長は私の身体に触れたままふっと息をつくように笑った。
「心配しなくても、誰も見ていないよ」
「でも」
課長は泣きそうになる私の身体をその手で撫で回したあと、嘲るように言った。
「道木さん、君は仕事ができないんだから、たまには役に立たないと」
「え……」