世界を濡らす、やまない雨
中学時代に比べると、高校生活は至って平穏だった。
それなりに合わせていれば付き合っていける。
そんな友達が何人もできた。
唇の端に絶えず笑みを浮かべて一日をやり過ごす。
そうしていれば、誰も私を避けたりしなかった。
嫌われないように、一人にならないように。
いつも気を遣って顔に作りものの笑みを貼り付ける。
そうしているうちに、季節が巡る。
平穏な一日は嫌になるほど長いのに、一年は驚くほど短かった。