長い夜の甘い罠【完】
「どちら様ですか?」
「私、安西香織って言います」
「安西香織さん…?」
「隼人の知り合いです」
隼人の知り合い?
隼人って……あの男の知り合い?
そんな人が何だろう。
「話したい事があるので、少しお時間頂けませんか?」
「…分かりました」
男の知り合いが私に何の用なのかしら。
まさか…修羅場?
男の事が好きで、私に近付かないで的な事を言いに来たとか?
そんな性格悪い様にも見えないけれど…それくらいしか思い浮かばない。