長い夜の甘い罠【完】
「率直に言わせて貰います。貴女の家族を殺したのは、隼人ではなく、隼人の父親なんです」
「…何言って」
「私も詳しくは分からないんですけど、あの日、隼人は父親を止める為に貴女の家に向かったけど間に合わなかった…」
「………」
「最後に貴女の弟を刺した所で隼人が部屋へ入り自らの手で実の父親を刺したんです」
「…そんなの嘘だわ」
だってあの時、確かに包丁を握り締めて立ってたし、あの男は警察に連れて行かれたもの。