長い夜の甘い罠【完】
今日は職場の友人に誘われ、レストランで開かれる合コンに参加する事になってる。
あの男の事なんて知らない。
私は私で楽しむわ。
あの人に束縛される筋合いなんてないし、週末の逢瀬が最後になるもの。
友人と共に会社の近くの駅のバイキングレストランへ入ると、長テーブルに座っている男性七人が一斉に立ち上がる。
紳士と言うか堅苦しいと言うか、私には似合わない男性ばかりね。
「ねぇ美咲、本当に来て良かったの?隼人さんは?大丈夫なの?」
「ええ大丈夫よ。婚約解消したもの。今更関係ないわ」
「…そっか」
男と再会した場にいた友人が心配そうに声を掛けて来た。