長い夜の甘い罠【完】


もう一つって、キス?

…それとも。


「…礼はこれで良い」

「…何よそれ」


深く濃厚なキスへ移行するかと思いきや、優しいキスのみで唇が離れる。

男は優しく微笑むと私の頭をぽんぽんと軽く叩き、私のシートベルトを外す。


「続きは週末まで我慢する」

「…もう」

「その変わり容赦しないから覚悟しとけ」

「…何でそうなるのよ」


どうしてあんな優しいキスをするの。

どうしてそんなに優しい笑顔を見せるの。


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