長い夜の甘い罠【完】
「…ん……」
「おはよう」
男は目を覚ますと、暫くぼーっとしまま私をじっと見つめた後、身体を反転させ私に覆い被さった。
「きゃっ…な、何!?」
「よく眠れたか?」
「ええ、お陰様で」
「そうか。一晩中傍にいた褒美を貰うか」
「…褒美……ん…っ…!」
男は顎へ手を添えれば有無を言わさずそのまま半ば強引に唇を奪われた。
奪う様な激しいキスになるものと思いきや、そうではなく、とても優しいキスを幾度も落としながら頭を撫でられた。