長い夜の甘い罠【完】
二、初デート
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翌朝、鳥の囀りに加えカーテンの隙間から漏れる光の眩しさを感じつつ目を開く。
見慣れた天井に、添い寝する温もりを感じ……ない?
あら?いつもなら私が苦しいくらい私の事を抱き枕にしながら寝息を立てている男の姿がない。
身体を起こすと、近くに散乱している下着を身に付けバスローブを羽織りリビングへと向かう。
「起きたか。おはよう」
「…おはよう。貴方の方が先に起きるなんて、珍しい事もあるのね」
「仕事で呼び出されてな」
「そうなの」
私は未だに知らない。この人が何の仕事をしているのか。