長い夜の甘い罠【完】
私はいつから隼人に惹かれ始めてたんだろう。最初は本当に憎しみしか頭になかったのに。
「ねぇ、そう言えば、金髪美女とはどうなったの?」
「気になるか?」
「…少し」
「えらく素直だな」
「…別に」
「お前が見たのは違う署にいる警官だ」
「そうなの?」
「ああ。誰かさんは俺が手付けてる女だと勘違いしてたみたいだがな」
「…う、うるさいわね」
それならそうと早く言ってくれれば良かったのに。わざと言わなかったんだわ、きっと。