長い夜の甘い罠【完】


「…用意の良い事」

「当たり前だ」


男はふっと笑むと、私の身を軽々と抱き上げ姫抱きをする。


「え…ちょ、ちょっと!自分で歩けるわよ」

「黙ってろ」

「だって、こんなの恥ずかしい」

「病院行くぞ」


工場を出た矢先、他の警官が駆けつけ急ぎ足で中へと入って行く。

パトカーや覆面パトカーの間をすり抜け、駐車していた男の車の助手席へと座らされた。


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