長い夜の甘い罠【完】
「…ごめんなさい、私ったら」
「別に良いけどな。俺とお前の仲だし」
賢二は私の肩へ腕を回すと、身を引き寄せられた。共に飲んでいた珈琲をテーブルへと置き口付けを交わす。
この雰囲気はこのままベッドへと倒れ込む色の含んだ相手をうっすら開いた瞳で見つめる。
賢二と会うのは、どれくらいぶりなのだろうか。一ヶ月は確実に会っていない。
修羅場になりかけた以降、私からは連絡しなくなったんだっけ。