星屑チョコレート【短】
「いっちーって、チャレンジャーだよね〜」


「本当だよ〜!」


女独特の嫌らしさを込めた口調が耳に入って来たのは、営業部に戻る為に角を曲がろうとした時だった。


何となく自分の事を言われているんだと察し、思わず足を止める。


「そうかな?」


その直後、橋本君の不思議そうな声が聞こえて来た。


「そうだよ〜!浅木(アサギ)さんに話し掛けるなんて勇気あるって言うか……。それに、チョコまでねだるなんて……」


「浅木さんに頼まなくても、チョコならあたし達があげるよー?」


二人の女性社員の声には聞き覚えがあって、すぐに同じ営業部の事務の後輩だとわかった。


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